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第3回 70回静岡大会3,4回戦
■ 3回戦 (昭和63年7月25,26日静岡球場ほか)
3回戦も各地で劇的な試合が相次いだ。2回戦の静岡、磐田南に続き、シード校では沼津学園、袋井が脱落。沼津学園は9回に反撃したものの、5回の大量失点が響き4−5で島田商に敗れた。袋井は伊豆中央に7回コールドで敗れた。日大三島、御殿場西はサヨナラ勝ち。特に御殿場西は終盤にジワジワと追い上げ、土壇場9回裏に3点を奪う驚異的な粘り腰だった。第1シードの東海大工は5回コールドで静岡農を一蹴。富士宮西の佐藤秀樹投手は2試合連続完封。浜松商も苦戦を強いられたが、終盤に逆転しベスト16進出を決めた。
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▽市立沼津9−2袋井商▽日大三島3−2横須賀(延長12回)▽富士宮西6−0静岡市立▽伊豆中央11−1袋井▽静岡学園11−1吉原商▽島田商5−4沼津学園▽御殿場4−1磐田商▽沼津東5−1焼津中央▽川根3−2富士▽御殿場西5−4清水市商▽静岡市商4−1吉田▽菊川8−6静岡南▽東海大工15−1静岡農▽東海大一9−2静岡東▽興誠4−0清水東▽浜松商5−3静岡西
相手のミスを突き、終盤に逆転(3回戦 静岡西戦)
昭和63年7月26日 3回戦
(静)岩本、近岡−鈴木俊 |
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==戦評==
浜松商は立ち上がりに2点を奪われる苦しい展開。特に、中盤までは静岡西打線のいい当たりが目立ち、3回二死2,3塁、4回の一死2塁など、毎回のようにチャンスを作られながらも、セカンド森口のジャンピングキャッチなどバックの好守と、岡本投手の粘投でピンチを切り抜ける。しかし、流れは変わらず5回に1点を奪われると、そのまま終盤へ。
7回裏浜商の攻撃。一死から打席に立った主将の山下がライトへ痛烈な当たりのヒットを放つと、この打球を右翼手が後逸。俊足の山下はこの間に長駆ホームインし、同点に追いつく。(記録は単打と敵失)
同点に追いつき、押せ押せムードとなった8回には2つの四球と敵失で一死満塁とする。ここで再び山下が内野安打を放ち、ついに逆転すると、さらにこの回、押し出しの死球でもう1点を追加。
中盤のピンチを鍛えられた堅い守りで切り抜けた浜松商と、中盤に攻めきれず、プレッシャーからか最後に守備のミスが出てしまった静岡西。その守りの差が出てしまった試合だった。(文中敬称略)
▼試合後のコメント
「立ち上がりから不運な安打が続くなど嫌なムードのゲームだった。相手が勝ちを意識してミスをするまで粘れとナインには言っていました」(上村監督の談話・ 静岡新聞より)
■ 4回戦 (昭和63年7月27日静岡球場ほか)
7月27日、静岡、島田、浜松、富士の4球場で4回戦8試合が行われ、ベスト8が出揃った。この年はまだ梅雨が明けておらず、静岡、浜松などでは試合途中、激しく雨が降る場面もあったようにすっきりしない空模様だった。
浜松商は前年に敗れた東海大一に逆転勝ち。投打が噛み合い、徐々に調子も上がってきた。3回戦をともに逆転サヨナラ勝ちで勝ち上がってきた川根と御殿場西の対戦はすさまじい試合。9回裏に御殿場西が追いつき、延長に突入。11回に川根が2点を奪い勝負あったかに見えたが、御殿場西はまたも驚異的な粘りを見せ同点にすると、再試合直前の17回裏、ついにサヨナラ勝ちを収めた。菊川−静岡市商も菊川・門奈、静岡市商・星野の投げ合いとなったが延長13回、菊川が1−0でサヨナラ勝ち。第1シードの東海大工はここも危なげなく突破。その他の有力校が苦戦を続ける中、ここまでの3試合では他を寄せ付けない圧倒的な強さでベスト8入り。
大会は28日は休みで、29日に再開。静岡球場で富士宮西−日大三島、浜松商−東海大工、島田球場で静岡学園−島田商、菊川−御殿場西の準々決勝4試合行われる。
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3試合連続逆転勝ちで8強へ(4回戦 東海大一戦)
昭和63年7月27日 4回戦
(東)佐野、吉川−田造 |
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==戦評==
初回、岡本投手は立ち上がりを3安打され、2点を奪われる。しかし、2回に浜商は山下の右前適時打と田中の右前適時打で同点とする。6回、無死から鈴木光、加藤佳が連続四球で出塁。次打者、鈴木祐の送りバントを一塁手が三塁へ悪送球し、鈴木光が生還、勝ち越し。続く森口の右前適時打と山田の左犠飛で2点を追加。7回にも二死から鈴木光の安打と加藤佳の右中間二塁打で1点を追加。この試合、浜商は9本の安打で6点を奪う効率の良い攻めを見せた。一方、東海大一は岡本投手から12安打を放つも、初回の2点と9回の1点のみにとどまった。バックを信頼して投げる岡本投手は内野ゴロ18個という数字が示すように打たせてとる内容。後半、痛めていた右わき腹のせいで球が甘くなったものの、要所をきっちり締め何とか乗り切った。(文中敬称略)
▼試合後のコメント
「これまでのチームなら、機動力プラス投手力とか、長打力とか何か作戦上の軸になるものがあったが、今年は何もない。だから、ノーヒットでも点を取らなくてはいけないし、塁に出たらスチールして点を取るしかない。」
さらに、「ノーヒットでも相手がいやらしいと思う攻めをする原点野球」が今年の特徴と上村監督は語っていた(中日新聞、静岡新聞より)