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第1回 70回静岡大会開会式、大会展望
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70回目の夏、開幕

雨ではじまった夏

 昭和63年7月16日、土曜日。前夜から降り続いた雨により開催が危ぶまれたが、昼過ぎには雨も上がり、無事に第70回全国高校野球選手権記念静岡大会が開幕した。この年は全国各地の予選,甲子園大会を通じ、とにかく雨にたたられる大会となる。この後の天候不順の夏を暗示するかのような静岡大会開会式の天気であった。
 前年と同じ参加106校の入場行進と優勝旗返還の後、浜松南の友田進主将が「真夏の太陽のもと、最善を尽くし、正々堂々、戦うことを誓います」と力強く選手宣誓。そして開幕試合の始球式を務めたのは焼津市立小川小3年の鷲野良介君。(彼の祖父は静岡商を昭和27年の選抜優勝、昭和29年の選手権準優勝に導いた名監督。)背番号70のユニフォームで登場した良介君は見事なストライクを投げ、観客から大きな拍手を受けた。こうして島田商対橘戦を皮切りに熱戦の火蓋が切って落とされた。

優勝候補は東海大工、沼津学園、静岡など

 表1にシード校、とその他の有力校について記した。高野連発行パンフレットに掲載された朝日新聞静岡支局記者の大会展望でも、やはり東海大工が優勝候補筆頭に挙げられていた。しかし、その中に
堅実な守備と、切れ目のない打線には定評がある。先行された時にもろさが見えることもあるが、小野、前川、加藤を軸に、足をからめ、たたみかける攻撃をしかける。主戦小泉の速球も、さえて来た。
とあった。”先行された時にもろさが見えることもある”という指摘は、後に重要な意味を持ってくる。
 東海大工は準々決勝で静岡高と対戦する組み合わせだが、4回戦までは比較的恵まれた格好。静岡高のブロックには静岡商、東海大一といった名門が入り、こちらは激戦が予想された。春は県大会に出場できず、ノーシードとなった浜松商も同じブロックから不気味に上位を窺う。静岡新聞の浜松商のチーム紹介には
 『強豪チームが相手だと地力を発揮するが、”取りこぼし”も多いのが難点
という記述が見られる。浜商は厳しい組み合わせになったが、気を抜く暇がなく、取りこぼしの心配が少なそうなのは良いことかも知れない。
 開幕戦は投手戦となり、島田商が1−0で橘を振り切った。
中断をはさんだ後の21日、浜商はいよいよ初戦を迎える。(文中敬称略)
表1:70回静岡大会の有力校(◎印はシード校)
東海大工 大村晴男監督。春の静岡、東海大会優勝。前川、加藤、小野を中心に自慢の強力打線は脅威。エース小泉も安定。優勝候補の筆頭。
日大三島 大房正治監督。春の県大会準V。松下、森田、志田らが中心の打線が活発。
沼津学園 川口啓太監督。昨秋の県優勝、今春も県4強。機動力で揺さぶる。
御殿場西 鈴木久監督。昨秋は3位、春も4強。エース新藤和弘は140キロの直球とスライダーが武器。
磐 田 南 磯部修三監督。堅い守りで昨秋、今春と県大会出場。春は西部1位。
静岡学園 川口祥一監督。松本、三井の二本柱と、下位まで切れ目ない打線で上位を狙う。
袋   井 有川謹司監督。春は西部2位、県大会8強。
静   岡 船川誠監督。前年の甲子園を経験した赤堀、相沢ら豪華投手陣に加え、天野、岩崎、山口、梶山らが中心の打線も強力。秋、春とも県大会不出場ながらシード入り。
その他有力校 昨秋県準Vの浜北西(斉藤精一監督)、春県8強の菊川(小林正具監督)は技巧派左腕の門奈哲寛を擁す。昨秋の中部1位の静岡南(畑田裕規監督)は接戦に強い。島田商(寺尾敏彦監督)は2年生エース山口晋を中心とした若いチーム。小柄ながらよく鍛えられた浜松商(上村敏正監督)は投手力次第。創部4年目の聖隷学園(栗嶋務監督)は昨秋西部3位の強打のチーム。剛腕・佐藤秀樹擁する富士宮西(三村喜代志監督)と杉山務投手の富士(坪内一啓監督、山田忠副部長)の両チームは前年の選抜甲子園を経験したエースの出来が勝敗のカギを握る。
7月16日 静岡球場 1回戦
開幕戦
島 田 商
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