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第5回 70回静岡大会準決勝
■ 準決勝 (昭和63年7月31日静岡球場)
真夏の太陽が照りつける中、今大会最高の12000人の観衆が詰め掛けた準決勝は、第4シードの御殿場西と第6シードの静岡学園が敗れ、ノーシードの浜松商と富士宮西が決勝に進出した。第1試合の富士宮西−静岡学園戦は2−2のまま延長に突入した。延長11回、富士宮西は一死から入倉が死球で出塁。続く野村が投前へ送りバント。松本投手から一塁への送球が悪送球となる間に、一塁走者の入倉がホームイン。これが決勝点となり、富士宮西が決勝進出を決めた。静岡学園は10安打を放ち、富士宮西・佐藤秀樹投手を追い詰めた。しかし、宮西の7つの犠打を成功させ、送りバントから決勝点を奪ったのに対して、静学は9回裏、金沢の三塁打と2つの敬遠四球で掴んだ満塁のチャンスでのスクイズ失敗(ファール)。また、守備でも宮西無失策に対し、静学は4失策で決勝点も失策絡みというように、「送りバント」、「守備」の2つの要素が勝敗を分けた形となった。
ここまで逆転の連続で勝ちあがってきた学校同士の対戦となった第2試合の浜松商−御殿場西戦は、浜商が先制、御西逆転という展開。しかし、直後に浜商が再逆転するとそのまま逃げ切り、「逆転の浜商」の意地を見せた。
(静)三井、松本−斉藤 本塁打−入倉(富) 三塁打−宮里、金沢(静) 二塁打−佐藤(富)、堀内2、松本、柴(静) |
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少ないチャンス生かして逆転勝ち(準決勝 御殿場西戦)
(御)新藤、矢部、新藤−竹花 |
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==戦評==
浜商は1回二死、3番打者の西尾が四球で出塁すると、盗塁で二進。そして鈴木光敏が中前へ安打し、鮮やかな先制攻撃を見せる。5回一死1,3塁でのスリーバントスクイズがファールとなりチャンスを逃した御殿場西だったが、続く5回にも2つの四死球と敵失で二死満塁の好機を掴むと、ここでは中山が右翼線へ二塁打を放ち、逆転に成功する。ここまで驚異的な粘りで3試合連続逆転勝利の御殿場西がここでも勢いにのるかと思わせたその直後のことだった。6回表、浜商は敵失で出塁の山下を送って一死2塁とすると、西尾が右前適時打であっさり同点。続く鈴木光の右前打などで二死2,3塁となった後、鈴木祐が中前へ2点適時打を放ち逆転。こうなると完全に浜商ペース。御殿場西は6、7回にも走者を出すが、盗塁死などでチャンスを広げる事ができない。一方の浜商は9回に森口が左越え本塁打を放ってダメ押し。試合の流れが御殿場西に完全に傾くかどうかというポイントで、自分たちに流れを引き寄せた集中力は見事だった。(文中敬称略)
▼試合後のコメント(静岡新聞より)
「以前の自分ならカッときて自滅していた。でも冷静さを失わずに後続を断てたのが勝因と思う」(5回に逆転されるも、その後を押さえて2失点完投の浜松商・岡本投手)