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浜商野球復活を予感させる
9回執念の同点劇
第80回全国高校野球選手権記念静岡大会 準決勝 (平成10年7月28日 静岡球場)
浜松商対浜松工
 
浜 松 商
浜 松 工 1x

 平成10年の第80回静岡大会は、前年の優勝校でこの春の静岡大会も制し第1シードの浜松工が優勝候補の本命と目されて開幕。その浜松工は自慢の強力打線を武器にこの準決勝まで勝ち上がって来ていた。一方の浜松商はこの大会ノーシード。初戦の静岡北戦は8回コールドの8−1で勝利したものの、6回までは2−1という苦しい内容。2回戦の榛原戦も5−4の1点差でようやく逃げ切る。3回戦では2回に5点、8回に4点とお得意の集中打を発揮、8回コールド9−2で御殿場西を下す。4回戦の富士宮西戦は8回に同点とされながらも延長10回、池田のサヨナラ犠飛で劇的な勝利。準々決勝の袋井商には9−2の快勝と徐々に調子を上げ、6年ぶりのベスト4。しかし、準決勝の相手の浜松工には6月の定期戦で2−22というすさまじい大差で敗れており、圧倒的不利という見方が強かった。
 試合は序盤、浜工ペースで始まる。2回、浜工は榊原、清水の連打と四球から一死満塁とした後、小林の中前打で2点を先制。しかし、この後、浜商の先発・永井投手は、コーナーを丁寧に突く見事な投球で6回に佐竹の中前適時打により1点を失うものの、浜工の強力打線を8回まで3失点に押さえる。永井投手の好投に報いたい浜商は7回にようやく反撃を開始。この回、敵失からチャンスを得ると、鈴木克の中前打で1点を返す。そして、最終回、浜商はこの回先頭の池田が執念で右前打を放ち出塁。鈴木崇のバント安打などで1死二、三塁とした後、鈴木克の内野ゴロの間にまず1点。そして続く名倉が右前打を放ち、土壇場で遂に同点に追いつく。
 しかし、浜工がここから粘りを見せた。浜商の反撃を同点で止めるとその裏、佐竹が四球と盗塁で二進。ここまで無安打だった河村に左翼線二塁打が飛び出し、激闘に終止符が打たれた。
(文中敬称略)

この試合当時、私は大学在学中で東京に住んでいました。
夏の大会だけは帰省して見る事ができましたが、
春や秋の大会の情報についてはほとんど入らなくなっていました。
 情報不足に加え、浜松工が平成8年秋以降の県大会3季連続優勝や平成10年の春優勝と活躍したのに対し、
浜松商が低迷していたことも重なり、高校野球への興味は失いかけていました。
 この試合もテレビで見ながら、心の中で密かに期待しつつも、
現実には勝てないだろうと諦めていたのですが、永井投手の力投、9回の執念の同点劇に感動させられました。
結果的に敗れてしまったものの、私の中では浜商野球健在を確認できたことで満足していた部分もありました。
 2年後に久しぶりの甲子園出場を果たすことになるチームの主力選手は、この準決勝当時、1年生でした。
甲子園出場につながった驚異的な粘りは、2年前の浜工戦で先輩達が見せた粘りから受け継がれたもののような気もします。
浜 松 商
(3) 鈴 木 克
(6) 名  倉
(4) 高  橋
(2) 鈴 木 竜
(1) 永  井
(9)
(8) 池  田
(5) 鈴 木 崇
(7) 貴  田
犠2盗1残10併1 29
浜 松 工
(3) 佐  竹
(6) 河  村
(3) 藤  松
(2) 榊  原
(5) 清  水
(9) 井  村
(4) 藤  田
(1) 小  林
(7) 仲  田
中  村
犠2盗1残9併0 29
二塁打−河村(工)
投 手 回数 打者
永 井 8 1/3 38
             
小 林 40
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