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両軍合計37安打の打撃戦
被安打21で逃げ切る
第65回記念選抜高校野球大会 2回戦
浜松商(東海・静岡)対岩国(中国・山口)
 
浜松商   15 16
岩 国   12 21

浜商は初回、田中の二塁打、野中の一、二塁間を破るタイムリーで先制する。
2回、岩国の長畑に右翼本塁打が飛び出し、壮絶な打撃戦が幕を開けた。
3回に浜商が野中の右前適時打で勝ち越すと、その裏、岩国は2本の安打と佐藤の中犠飛で同点。
4回の浜商。1死満塁から押し出しの後、山本が大会史上11人目の満塁本塁打を放つ。
しかし、その裏、橋爪投手が2四球と4安打で4点を奪われ、リードは1点に縮まる。
浜商は5回には榎谷の左中間タイムリーで1点、7回にも荒川の左前テキサス安打と、
走塁妨害を誘う走塁で2点。これで10−7とするが、その裏に
岩国の白本に右越え2点タイムリー三塁打と佐藤の左犠飛で同点とされる。

 直後の8回、浜商は四死球と野中のバント安打で無死満塁のチャンスを掴むと、
主将の宇田が走者一掃の左越え二塁打を放ち、13対10と再び勝ち越しに成功。
さらに荒川が2点タイムリー三塁打を放ち、一挙にリードを5点とする。
岩国は8回に2点を返して追いすがるが、ここまで。
9回表の浜商の攻撃が0に終わったのに合わせるように、9回の岩国の攻撃は無得点で終わった。
こうして壮絶な打撃戦は15対12で浜商が逃げ切った。

浜商は言わば、二の脚、三の脚を繰り出しての逃げ切り勝ち。
三度、追いつかれても相手に一度もリードを許さなかった巧者ぶりも光った。
この試合では、浜商の山本啓輝選手が大会史上11人目の満塁本塁打を放っている。
浜商はこの他、平成2年の夏にも水島裕介選手が夏20人目となる満塁本塁打を記録している。
春夏ともに満塁本塁打を記録している学校は、浜松商、PL学園、平安、佐賀商の4校のみ。

(また、この試合の両チーム計37安打というのは
平成12年の智弁和歌山−丸亀戦で破られるまで、1試合合計安打の記録だった。
平成14年の夏に興誠が22安打を打たれながら勝利したのが、最多被安打勝利記録として
話題になったが、浜商もこの試合で21被安打で勝利しているので、
春の大会の最多被安打記録の可能性があるのではないかと思うのだが実際のところは如何に?)

(文中敬称略)
[参考]
毎日グラフ臨時増刊第65回選抜高校野球記念大会「今ありてセンバツ燃ゆ」、毎日新聞社、1993年
平成5年4月1日付静岡新聞
浜松商
(9) 鈴木雅 捕ゴ   捕邪 四球 捕邪   一邪 三ゴ  
(4) 田 中 左2   四球 左飛   左飛   四球 遊ゴ
(8) 山 本 三振   三犠 左本   三ゴ   死球 中飛
(6) 野 中 右安   右安 捕邪   一ゴ   投安 四球
(3) 宇 田 三振   三振   四球   中安 左2 左安
(7) 廣 野   三ゴ   一飛 投犠   三振 投犠 左飛
(1) 橋 爪   中安   左安 投ゴ   右2 三ゴ  
(5) 榎 谷   捕邪   左安 中3   左安 三振  
(2) 荒 川   二ゴ   四球 四球   右安 中3  
合 計 40 15 16 14   犠打3 併殺1 残塁9

岩 国
(1) 三振   中安 右安 左安   四球 二ゴ  
(5) 野 村 投ゴ   投犠 四球 遊ゴ   投ゴ 左安  
(8) 白 本 死球   右安 中安   右安 右3 右安  
(6) 佐 藤 投ゴ   中犠 左安   一ゴ 左犠 二ゴ  
(3) 長 畑   右本 三ゴ 左飛   左2 三安    
R 今 吉                  
3 向 井                  
H 堀 川                 一邪
(2) 岡 崎   四球   三振 三振 四球 二ゴ   中安
(7) 広 谷   遊併   四球 中安 右安   四球 右飛
(9) 守 時   左安   中安 三飛 一直   三振 右飛
(4) 長 和   遊ゴ   三犠 中安   右安 左2  
合 計 42 12 21 12   犠打4 併殺0 残塁14

投手
橋 爪 53 21 12
             
51 16 12
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