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好救援・青野の
逆転三塁打で早実下す
第50回選抜高校野球大会 2回戦 
浜松商(静岡)対早稲田実(東京)
  十一 十二
浜松商      
早 実      

 浜商の先発・樽井徹は初回、四球で2人の走者を出す苦しい立ち上がり。
ここで早実の4番打者・川又に右前安打、6番の森田にも左前二塁打を打たれ、早くも2点を失う。
浜商は2回に1死満塁から大軒の犠飛で1点を返すが、3回以降は早実の山岡投手を打てない。
何とか2回以降を0に抑えてきた樽井投手だったが、5回に3連打から追加点を奪われる。
ここでベンチは青野投手にスイッチしたが、6回にも1点を奪われてしまい、ますます厳しい展開となる。
 流れを引き寄せたい浜商は7回1死後、大塚、樽井が連打で出塁。続く大軒の打球は三遊間へのゴロ。
これを遊撃手がはじいた上、焦って一塁へ悪送球。この間に1人が生還。この回はこの1点どまりだったが、
この1点が浜商には勢いを与え、一方でミスから失点した早実には焦りが生じることになったか?
8回には森下の安打、小沢の四球で1死一,二塁。続く送りバントが投手前への小飛球となり、
完全な併殺かと思いきや、投手から一塁への送球が悪送球となり、2死二,三塁。
続く大塚は四球を選んで2死満塁とした後、樽井がライトへ2点タイムリーを放ち、同点とする。
 完全に流れを引き寄せた浜商は、9回1死から鈴木保が安打で出塁すると、森下がきっちり送って2死二塁。
続く青野はフルカウントからのカーブを、左中間へ大きな三塁打。二塁から鈴木保が生還し、逆転。
9回の守り。早実先頭の川又の打球は右翼へ飛ぶも、野手の正面だった。
続く沼、森田の打球も外野正面への飛球でゲームセット。

早実は守備で失点につながる2失策、攻撃面では11残塁と2つのバント失敗が響いた。
早実・和田監督が心配していた実戦経験の少なさ(前年の秋に公式戦で10試合程度しか戦っていない)が
顕れたと言えなくもない展開だった。(文中敬称略)


[参考]
昭和53年4月2日付 朝日新聞
毎日グラフ臨時増刊1978.4.20 「第50回センバツ高校野球総集編」、毎日新聞社
週刊ベースボール増刊「第50回選抜高校野球総決算」、ベースボールマガジン社
(注)スコアテーブルは神奈川県の I さん提供の情報を基に作成しました
浜 松 商





(7) 鈴木保 三ゴ   三振   遊ゴ   三ゴ   左安
(4) 森 下 右飛   三振     左安   左安 投犠
(6)1 青 野 一ゴ   三振     三飛   二ゴ 左3
(3) 小 沢   三振   二ゴ   二ゴ   四球 投ゴ
(9) 山 下   右安   右飛          
6 山 田             三振    
H 田 村               投飛  
6 竹 下                  
(2) 大 塚   左安   四球     左安 四球  
(1)9 樽 井   四球   三飛     左安 右安  
(8) 大 軒   犠飛     三振   遊失 三振  
(5) 村 松   遊ゴ     遊ゴ   三ゴ   投ゴ
合  計 34                  

早  実





(5) 荒 木 四球 四球   右安   左安   遊安  
(8) 山 田 投犠 遊ゴ   中飛   左飛   三犠  
(1) 山 岡 四球 遊ゴ     遊安 四球   中飛  
(7) 川 又 右安   右安   右安 犠飛     右飛
(4) 捕飛   投犠   左安 左飛     中飛
(9) 森 田 左2   中安   捕犠   遊ゴ   左飛
(2) 和 泉 二ゴ   一飛   遊ゴ   三ゴ    
(3) 清 水   右安   投ゴ 四球   中飛    
3 丸 山                  
(6) 伊 原   投ゴ   遊飛 遊ゴ     遊ゴ  
合  計 32 11                  

  回数






樽 井 4・0/3 23 76
青 野 19 66
                 
山 岡 40 143
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